ディズニー実写版映画『白雪姫』
2025年03月25日
[薫と有紀の日曜日もダイジョブよ!]
この作品のさらに詳しい情報はコチラ→https://www.disney.co.jp/movie/snowwhite-movie

あなたが東京ディズニーランドやシーのファンであれば、食事を1回抜いてでも見に行く価値がある。試写会で「プレミアム吹替版」を鑑賞した感想だ。
さらに、朝の7時ごろにJR舞浜駅を降りてシンデレラ城を目指して走っていき、パークの開園を待つ列に並ぶほどであれば、オリジナルの英語版も見たくなるはずだ。
一方で“ディズニー好きな彼女と映画館デートで来たけど、自分はそんなに興味はないんだよね~”といった観客を置き去りにしない配慮もうかがえる。
年齢・性別を問わず、幅広い層にオススメできるファンタジー作品だ。

歴史をさかのぼると「グリム童話」に登場したのが200年以上前の1810年、ディズニーの原点となる世界初の長編カラーアニメーション映画は1937年、そのほかにも派生作品がいくつもあるから日本人ならだれでも、いや赤ちゃんを除けば世界中の人たちが知っている名作だ。
ただ、実写ミュージカル仕立ての本作では細部が省略され、新たに考えられたシーンが追加されている。後者のひとつは物語中盤で登場する“ある集団”。彼らの素性は、ネタバレにならないように「クライマックスで重要な役割を果たす」とだけにしておこう。
アニメーション版でもおなじみの森の鳥や動物たちは、CGだとわかっていても“もしかしたら本物の動物タレントが混じっているかも…”と思わせるレベル。まあ白雪姫が騎乗した馬は本物だろう。
それに輪をかけているのが“7人のこびと”だ。全員がCGIによるキャラクターだが、白雪姫とのやり取りやダンスシーンも全く違和感がない。特にスタンダード楽曲になっている「ハイ・ホー(Heigh-ho)」と「口笛ふいて働こう(Whistle While You Work)」の2曲は、2025年のアレンジがズバリはまっていて感動を覚えた。

オリジナル英語版で白雪姫を演じたのは『ウエスト・サイド・ストーリー(2021年)』でゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞したレイチェル・ゼグラーで吹替は俳優・声優の吉柳咲良(きりゅう・さくら)。弱冠20歳にもかかわらず堂々としたボーカルという印象。
役名“Evil Queen”として登場する邪悪な女王は『ワンダーウーマン(2017、2020年)』シリーズのガル・ガドット。典型的な正義の味方だった彼女の悪役ぶりに興味があったが、毒リンゴを手にして変身するシーンは圧巻。常識外れの特殊メイクをしているのにも関わらず、表情の演技はディズニー・ヴィラン(悪役)の代表かのようだった。そこに元・宝塚歌劇団 月組トップスターの月城(つきしろ)かなとのドスのきいた「鏡よ!鏡~」のセリフが重なって“悪の相乗効果”だ。
白雪姫に“アドバイス”を与える青年ジョナサン役は、ブロードウェイ・ミュージカルでアーサー王を演じたアンドリュー・バーナップ。ディズニーではおなじみの白馬の王子ではないことを自らほのめかす。吹替はボーズグループJO1(ジェイオーワン)の河野純喜(こうの・じゅんき)で、アニメ版にはなかった新曲を吉柳とともに披露する。

クライマックスは、アニメ版やこれまでの白雪姫作品とは全く違う。スモークを焚いたら“クロサワの世界”に見えるようなシチュエーションで白雪姫vs“Evil Queen”の対決が展開される。
その結末は“勧善懲悪”であることはもちろん、テーマのひとつが“人間の真っ当な生き方とは何か?”だとわかり、劇中の登場人物のセリフのいくつかは、現代社会のひずみを危惧しているのだと気が付く。ご家族連れにとってはエンタメでありながら情操教育にもなるというわけだ。

エンドロールは、あきらかにディズニーファンへのサービス映像で、最後の最後までディズニー・マジックを堪能できる。
しかし、それを見終わると不思議な気持ちになった。東京ディズニーランドでの花火が終わり、パークの閉園時間の午後10時ごろ、シンデレラ城を背にしてJR舞浜駅に向かう時に感じるあの感覚「あ~また明日から“現実”の世界に戻るのか…」というアレだ。
その“現実”の中には本作のキャラクターと程度の差こそあれ“Evil Queen”や“Evil King”までいるから困ったものなんですよね~(笑)。
※この作品はウォルト・ディズニー・ジャパンの配給で、T・ジョイ博多、TOHOシネマズららぽーと福岡、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、ユナイテッド・シネマ福岡ももち ほかで全国ロードショー公開中です。