「訓練とは違った」25歳の日赤職員、初の被災地派遣で見た現実
2026年10月28日
[番組で紹介した情報]
【 毎週水曜日午後0時40分からは地域リポーターが街の話題を発信する「発信!GT-R」あるいは防災について語る「KBCラジオみんなで防災」をお送りしています。
担当するのは防災ネットワーク主幹のKBC太田祐輔解説委員です】
今月の「KBCラジオみんなで防災」では、災害発生時にいち早く現場に駆けつけ救護活動などを行う日本赤十字社の活動を特集。
最終回となる今回は、今年7月に発生した熊本地震で
熊本で支援活動を行った日本赤十字社福岡県支部の福岡県支部事業課講習普及係 外尾陸(ほかおりく)さんに現地での活動についてなどお伺いしました。
初めて被災地支援に入った外尾さんが目の当たりにした現場のリアルな状況について伺いました。
■「食事が届いていない」25歳の日赤職員が初めて見た被災地のリアル

日本赤十字社福岡県支部で事業課講習普及係を務める外尾陸さん。
入社3年目の25歳で、今年7月に発生した熊本地震の支援活動が、初めての被災地派遣でした。
太田:支援活動に行くのは?
外尾さん:初めての活動でした。
太田:じゃあ、日本赤十字社福岡県支部に入られて初めて、その被災地での活動というのを行ったということなんですね。
発災翌日の早朝には福岡市南区大楠の日本赤十字社福岡県支部を出発、八代市で3日間の支援活動に従事。
訓練は重ねてきたものの、実際の被災地の光景には胸が苦しくなったと語ります。
外尾さん:道路の状況とか、避難者の方とかを見ると、やっぱり胸が苦しいところはありました。
2日目に回った避難所の方から、前日の晩御飯以降、食事が提供されてないっていうところを言われて…。
幸い、東京からボランティアに来てくださってた方がその日の晩御飯を作っていて、炊き出しをしていてですね、「もうちょっとでご飯できるみたいなんで、ちょっと待っててくださいね」っていう風にお話したんですけど、そこは印象的でしたね。
発災直後の混乱の中では、支援が隅々まで行き届かない現実もあるようです。
■支援の裏側「自己完結」が原則。被災地に負担をかけない日赤の活動

外尾さんたちが現地で行った活動の一つが避難所の「巡回アセスメント」。
避難者の持病の有無や人数、避難所の環境などを確認し、活動本部に報告して次の支援につなげる重要な役割です。
では、支援する側はどのような生活を送っているのでしょうか。
太田:実際に行って、どういうところに宿泊するんですか?
外尾さん:活動した八代市から離れてるんですけど、熊本市内に宿をとってる状態でしたね。
今回は宿が確保できたためホテルに宿泊できましたが、これは幸運なケース。
被災地に負担をかけない「自己完結」が原則のため、本来は食事や寝床もすべて自分たちで用意します。
太田:もしホテルに宿泊できない場合はどうするんですか?
外尾さん:うちはですね、テントだったりとか簡易ベッドも、まあ自己完結っていう観点から持って行ってはいたので、宿が取れなかった場合は、そういったテントを立ててっていう形の宿泊になったんじゃないかなとは思いますね。
被災地での活動は、支援する側の厳しい環境への備えがあってこそ成り立っています。
■平時の備えが命を救う。講習指導員として伝える「いざという時」の知識

外尾さんは普段、救急法の指導員として、県民に心肺蘇生やAEDの使い方などを教える講習活動を行っています。
太田:なんていう資格を取って活動してるんですか?
外尾さん:赤十字は4つ講習があるんですけど、その中の1つ、救急法の指導員を持っています。
小中学校や自治会、企業など、依頼があればどこへでも出向き、防災意識の啓発に努めています。
今回の被災地派遣を通して、外尾さんは新たな気づきを得たと言います。
外尾さん:避難所の運営をされてる方も被災者なので、やっぱり支援者支援っていうところも必要なのかなっていう風には思いました。
特に今回、救護活動を経験して、やっぱり人のために活動しているっていうのを肌で感じることができたところが、すごいやりがいを感じましたし、そこからやる気っていうのも、より出てきましたね。
災害現場での経験は、平時の活動へのモチベーションにもつながっているようです。
日本赤十字社の活動は、寄付によって支えられています。
詳しくは、日本赤十字社福岡県支部のホームページやInstagramをご確認ください。
【https://www.jrc.or.jp/chapter/fukuoka/】