「熱中症警戒アラート」について
2025年07月08日
[番組で紹介した情報]
(太田)KBCラジオ ヒルマニ 後半のこの時間は「みんなで防災」をお送りします。
ヒルマニ火曜日後半戦
きょうは「KBCラジオ みんなで防災」をお送りします。
KBC防災ネットワーク主幹兼解説委員の太田祐輔です。
スタジオには引き続き加藤 恭子アナウンサーです。
(太田)連日暑い日が続いています。 きょうはこのところ毎日のようにニュースなどでも出てくる「熱中症警戒アラート」についてお送りしたいと思います。
熱中症警戒アラートは、その名の通り熱中症の危険性が非常に高まると予想される時に出されます。
そしてその指標なのですがどういったものが指標になると思われますか。
(加藤さん)気温ですかね。
(太田)もちろん気温もそうです。
でも気温だけではなく湿度、日差し、地面や建物からの照り返しなど、熱中症に影響する要素を総合的に評価した指標の暑さ指数というのが使われるわけなんです。
(加藤さん)湿度も関係しているんですね。
(太田)その通りです。
湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温が下がりにくくなるので、熱中症のリスクが高まります。
そういったものを総合的に判断して、危険だと考えられるときに熱中症警戒アラートというのが出されるわけです。
(加藤さん)熱中症特別警戒アラートというのもありますよね。
(太田)「熱中症警戒アラート」は暑さ指数が31以上になることが予想される場合に発表されます。
もう一つが、昨年から運用が始まった「熱中症特別警戒アラート」です。
これは、暑さ指数が35以上になることが予想される、つまり「過去に経験したことのないような危険な暑さ」になる場合に発表されるんです。
これは、命に関わるレベルの非常に高い危険が迫っている状況を示します。
ちなみに去年2024年も今年もこれまでこの熱中症特別警戒アラートは出されていません。
(加藤さん)このような暑さに対するアラートが出された時にはどういった点に気をつけるべきなのでしょうか。
(太田)はい、まず「熱中症警戒アラート」が出た場合、運動は原則中止、屋外での活動は極力控えるべきです。
高齢の方や乳幼児、持病をお持ちの方などは、屋内でも熱中症になるリスクが高まります。屋内でもエアコンを適切に使い、熱のこもった部屋で過ごすのは危険です。
(加藤さん)なるほど。じゃあ「熱中症特別警戒アラート」が出たら、もっと危険ってことですよね?
(太田)その通りです。「熱中症特別警戒アラート」が発表された場合は、生命に危険が及ぶような深刻な熱中症が多発する可能性が極めて高い状態です。
これは、災害級の暑さと認識し、最大限の警戒が必要です。すべての人が外出を避けるべきですし、運動は論外です。行政からも避難指示に準ずるような情報が出される可能性もあります。
まず共通して言えるのは、不要不急の外出は避けるということです。特に日中の最も暑い時間帯(午前10時から午後5時頃)は、できるだけ屋内にとどまりましょう。
(加藤さん)そうですよね。でも外に出ないといけない場合もありますよね。
(太田)その場合は、日傘や帽子を必ず着用し、日陰を選んで歩くなど、可能な限り直射日光を避ける工夫をしてください。そして、何よりもこまめな水分補給が重要です。喉が渇いていなくても、定期的に水分を摂るように心がけましょう。汗をたくさんかいた場合は、スポーツドリンクや経口補水液のように塩分も補給できるものがおすすめです。
(加藤さん) 水分補給、ついつい忘れがちになりますね。
(太田)はい。あとは、エアコンを適切に使用して室温を管理することです。我慢せずに冷房を使い、室温が上がりすぎないようにしましょう。扇風機も併用すると、効率的に涼しくなります。また、シャワーを浴びたり、体を冷やしたりするのも有効です。
(加藤さん) エアコン代、気になりますけど、命には代えられないですもんね。
(太田)まったくその通りです。そして、無理な運動は避ける。これはアラートの種類に関わらず鉄則です。もし運動するなら、比較的涼しい早朝や夜間に行い、体調が少しでもおかしいと感じたらすぐに中止してください。
(加藤)あと、高齢者とか小さい子供がいる場合は、特に気をつけないといけないんですよね?
(太田)はい、熱中症弱者への配慮は非常に重要です。高齢者は体温調節機能が低下していることが多く、暑さを感じにくい場合もあります。乳幼児は自分で水分補給ができないため、周りの大人が特に気を配る必要があります。定期的に声をかけ、水分補給を促し、涼しい環境にいるか確認してあげてください。
(太田)ちなみに、今年に入ってからの熱中症警戒アラート
福岡では7月8日分までで12回発表されているのですが、8日正午現在で10日連続で出されています。
気温予想を見てみると最低気温も30度近くまでになっていて、夜も気温が下がらない状況。
特に寝るときの気をつけなくてはいけないですね。