いのちをつないだ黒豚
2026年10月17日
[鹿児島県]
園田兵助(3)

鹿児島を代表するグルメ、黒豚。このブランド豚が誕生した背景には、枕崎を襲った大災害が関係していました。

なぜ鹿児島で黒豚の生産が盛んになったのか?
きっかけとなったのは、今から130年以上前に起きた台風が関係していました。
明治28年、鹿児島県枕崎市を襲った台風により411人が犠牲となりました。
地元では「黒島流れ」と呼ばれる大災害。犠牲者の多くは船で遭難した漁師でした。
園田兵助のひ孫 園田病院院長 園田真也さん
「働き手がいなくなったことで、残された家族は行商とかをして生計を立てていたと聞いています。」

園田は、稼ぎ手を失った漁師の家族にこう言ったのです。
「豚を育てよう」
それは獣医だった園田らしいアイデアでした。園田は被災した家を一軒一軒訪ね、養豚を勧めて回ったのです。

園田兵助のひ孫 園田病院院長 園田真也さん
「豚は雑食性で、繁殖力が強くて、割と飼いやすい。なんでも食べるので、魚の加工品として出るモツや、家の残飯などを食べさせると肥育する。それで産業化できないかと考えたのです。」
園田の説得により養豚が少しずつ広がっていき、10年後には枕崎で数百頭が飼育されるようになります。
いまや全国区の人気を誇る鹿児島黒豚。その始まりは、命を繋ぐために生まれたものなのです。