柳河
2025年11月08日
[熊本県]
五足の靴（2）
明治40年、与謝野寛と若き詩人たちが九州を旅した紀行文「五足の靴」。
一行はメンバーのひとり北原白秋の故郷・柳川を訪れます。
【「五足の靴」より引用】
『筑後の柳河まで来た。海を控えて水田と川との多い土地だ。北原氏に宿る』
五人は造り酒屋だった白秋の実家に2泊しています。
実は旅の目的地が九州になったのも白秋の強力なプッシュがあったからでは…とみられています。
北原白秋生家・記念館 髙田杏子館長
「自分の故郷を見せたいというところがあったと思います。明星に故郷柳川の詩を載せているんです。それでみなさん柳川に少し興味があったと思います。」
多くの作品で故郷・柳川への思いを綴っている白秋。その郷土愛が一行を九州へ導くきっかけとなったようです。筑後屈指の蔵元だった北原家、中でも九州全域にその名を轟かせていた銘酒を振舞います。それがこの「潮(うしお)」です。
北原白秋生家・記念館 髙田杏子館長
「毎食、蔵から出してきて振舞ったらしいですよ。これを5人が呑んで短歌を書いていったりするエピソードがあります。」
【「五足の靴」より引用】
『ああこの様な酒を 水と酒精(アルコール)との混合酒に舌鼓打つ東京人に飲ませてやりたい。』
白秋の故郷と酒を堪能した五人は、南蛮文化との出会いを求め西へ…。
旅のクライマックスとなる天草にたどり着きます。