柳川“さげもん”
2025年03月22日
[福岡県]

水郷・柳川を代表する伝統の雛飾り「さげもん」。
色鮮やかな吊るし物の数は51個。
その数字にはある願いが込められていました。
柳川市では、毎年雛祭りの時期を迎えると雛人形とともに色とりどりの「さげもん」が飾られます。「さげもん」とは、「つるし雛」のひとつで、江戸時代、柳川藩の奥女中が着物の端切れで小物を作ったのが始まりとされています。庶民の暮らしに馴染む「初節句のお祝い」として親しまれ定着していきました。

吊るされる小物の数はひとつの列に7個。それが7列。さらに、真ん中には大きな手鞠が2個。合計51になります。実は、この数字には、こんな願いが込められているのです。
九州のひなまつり広域振興協議会 企画誘致宣伝委員長 瀬下麻美子さん
「その当時は人生50年の時代。50年よりもひとつでも長生きして欲しいという親の願いです。そして食べ物に不自由しないように巾着なども入っています。ひとつひとつの端切れで親が子を思う気持ちがこの51のさげもんの中に入っていると思います。」
色鮮やかなさげもんの飾りは、子の幸せを願う親の思いの結晶ともいえるものでした。
