がん
2024年09月28日
[過去の放送内容]
今回、がんについてお話を伺ったのは、
遠賀中間医師会 おんが病院・おかがき病院 統括院長、
元九州大学医学部長の、
杉町圭蔵 (すぎまち けいぞう) 先生です。
■がんの現状
日本では毎年およそ100万人の方が新しくがんになり、
およそ38万人の方が亡くなっています。
世界もそうですが、日本もがんで亡くなる方が一番多く、
日本ではおよそ4人に1人ががんで亡くなっています。
■統計
2019年の国の統計では、日本人が一生の内にがんになる確率は、
男性では65.5%、女性では51.2%で、
“2人に1人はがんになる”という現状を裏付けています。
一方で、がんになった方が必ず亡くなる訳ではなく、
2021年の国の統計では、
がんになって亡くなる方の割合は男性では26.2%、女性では17.7%で、
きちんと治療をすると助かる方も多いことを示しています。
■がんはどうやって生まれるのか
細胞の中に“遺伝子”というものがありますが、
この遺伝子の異常ががん発生の元です。
細胞の中にある遺伝子には、変異を起こした遺伝子を修復したり、
異常な細胞を排除したりする役割を持つものがあります。
しかし、これらの役割を持つ遺伝子に変異が起こって上手く働かなくなると、
異常な細胞が際限なく増え始めるようになります。これががん細胞です。
そして、このがん細胞が長い時間をかけて増殖した結果、
がんになるとされています。
■超高齢社会とがん
年齢を重ねると、遺伝子に変異が起こりやすくなったり、
異常な細胞を排除する力が落ちたりします。
そのため、高齢者になるとがんになりやすいと言えます。
■治療法
がんの治療法には従来からの手術、放射線療法、化学療法に加えて、
近年では、免疫力でがんを攻撃する“免疫療法”も効果が期待されています。
■セカンドオピニオン
治療についての不安や疑問を取り払うために主治医以外の医師に意見を聞く、
“セカンドオピニオン”を受けるのも有効な方法です。
※今回、お話を伺っている杉町先生は、
九州中央病院(福岡市南区塩原) 病院長の頃から20年以上に渡って、
無料でセカンドオピニオン相談を受けてきました。
■杉町先生より
これまでに1600人ほどの方々が
セカンドオピニオン相談でお見えになっていますが、
6割から7割はがんに関する相談です。
がんになったらもちろん不安ですが、
手術を受けることを躊躇している方に私がセカンドオピニオンとして、
“やっぱり手術がベストですよ” とお話すると、
安心してその後の治療をお受けになられたということもありました。
■ご挨拶
1998年10月3日にスタートした「とっても健康らんど」は
2024年9月28日放送の今回分を持ちまして放送を終了いたします。
26年の間に1333回お送りしてまいりました。
健康や病気、そして医療は私たちが生きていく上での永遠のテーマです。
「とっても健康らんど」は今回を持って終わりますが、
また何らかの形で皆さまの健康の維持と増進にお役に立ちたいと思います。
長年に渡ってご覧いただき、誠にありがとうございました。
「とっても健康らんど」 谷村和進
(2001年より担当ディレクター ・ 2007年よりプロデューサー兼任)