放送内容

大牟田市の栗原敬幸(くりはら・たかゆき)防災危機管理室長に話を聞く その8

2025年01月08日

[番組で紹介した情報]

(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。

(百市)百市なるみです。

(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

(百市)今週は「大牟田市の栗原敬幸(くりはら・たかゆき)防災危機管理室長に話を聞く その8」を お送りします。

(太田)令和2年(2020年)7月に大規模な浸水被害に襲われた大牟田市最大で1.9mの浸水被害が発生した樋口町周辺では床上浸水681世帯、床下浸水312世帯を数え、1人の尊いいのちが失われました。
発生当時も現在も災害対応の陣頭指揮にあたる大牟田市の栗原敬幸防災危機管理室長にお話しを伺います。
今週は栗原さんに、大牟田市で台風の接近時に被害の発生が懸念される高潮についてお話を伺います。

(栗原)大雨以外で、特に私が心配をしているのは高潮なのですが、台風接近に伴って海の潮位が上昇する現象です。有明海っていう日本で一番干満の差が激しい海で6m ぐらいあるのですが、満潮時にやっぱり大牟田は海水面より低い土地が結構あります。
干満の差を利用して江戸時代からの干拓事業というのをやっているのですが、干拓事業っていうのは土地を盛るのではなくて、沖に堤防を作って、ただ水を抜くだけなので土地そのものは昔の海の底の形状と変わらないような形なので、それを堤防で守っているだけですから、もう堤防を超えたらどんどん水が入ってくるような土地柄なので、万が一大きな高潮が発生したら、非常に甚大な被害が発生するのではないかという風に思っています。
ただ、高潮が発生する要因っていうのがありますので、単純に台風が近づいてくるだけじゃなくて、台風が通るコースとか、満潮、干潮のタイミングに悪く重なってこないかどうかとか、そういったところを見ながら見ていますので、例えばコースが少し東側にそれたりした場合は、大牟田は意外とそんなに被害大きくありませんので、そういったところを見ながら対策をどうするかっていうのを考えています。

(太田)高潮に対する対策っていうのは、どういうふうなことをしているのですか?

(栗原)ハード面では、海岸は福岡県の管理になりますので、福岡県の方で高潮対策の堤防の事業をやってもらっていますけど、やっぱり河川の下流域で低いところとかがどうしてもありますから今後もそういった対策をとっていただく必要があるのですが、それ以外にやっぱりそういう低い土地に住んである方々に対して、高潮の危険性の啓発とどううまく避難をさせるかっていうのをやっていく必要があると思います。

啓発は折を見てずっとやっているのですけれど、具体的にどう避難させるかっていうのをちょっと考えていく必要はあるなと思っていまして、大きな高潮が発生した時だいたいどれぐらいの避難者が必要で、どの避難所に受け入れていくかていうのを去年あたりから色々考えていますので、そういったシミュレーションをそろそろ地域の方々と共有していかなきゃいけないのかなというふうに思っています。
高潮が発生した時っていうのは大きな台風が来ている時なので、高潮のエリア以外の人たちも避難するわけなのですよね。それも考えて、そして高潮のエリアにいる人たちを違うエリアに動かさなきゃいけないっていうところをちょっと結構、悩ましいやつなのですけど、どうするか っていうのをちょっと今考えているところです。

(百市)台風が通るコースに満潮や干潮のタイミングですとか、避難所がどれくらい必要でまたどの避難所にどの方を受け入れてって、シミュレーションするっていったら、かなりいろいろなパターンが必要ですね。

(太田)そうですね。夜中の発生とかですね。最悪のタイミングを考えておかないといけません。

(百市)KBCラジオ「みんなで防災」 今週は「大牟田市の栗原敬幸(くりはら・たかゆき)防災危機管理室長に話を聞く その8」を お送りしました。

過去の放送内容