大牟田市の栗原敬幸(くりはら・たかゆき)防災危機管理室長に話を聞く その4
2024年11月27日
[番組で紹介した情報]
(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。
(百市)百市なるみです。
(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。
(百市)今週は「大牟田市の栗原敬幸(くりはら・たかゆき)防災危機管理室長に話を聞く その4」を お送りします。
(太田)令和2年(2020年)7月に大規模な浸水被害に襲われた大牟田市最大で1.9mの浸水被害が発生した樋口町周辺では床上浸水681世帯、床下浸水312世帯を数え、1人の尊いいのちが失われました。
発生当時も現在も災害対応の陣頭指揮にあたる大牟田市の栗原敬幸防災危機管理室長にお話しを伺います。
今週は栗原さんに、自助、共助、公助の「共助」についてお話を伺います。
(栗原)共助ってちょっと最近難しいなって実は思ってて、災害の時だけじゃなくて、やっぱり普段からの近所同士のお付き合いっていうのが一番大事になってくるんですけど、いざ災害が発生した時に、じゃあ動ける人が何人いるかっていうのはちょっとまた普段の話と違ってくるんですが、やっぱり地域で活動している人たちがやっぱ高齢化してて、結構お年を召した方が地域の活動してあって、私もそうなんですけど、仕事してる現役世代ってなかなか地域活動できなかったりするじゃないですか。
でも災害の時ってそういう人たちが動くともっと地域のいろんな人たちを助けることができると思うんですね。
でも、日中とか残された人達っていうのは、やっぱりある程度こう体力が落ちてる高齢の方々が中心になってきますので、まあそういった人たちのことを考えながら、その地域の取り組みっていうのをどうやっていくかっていうのがですね、すごく今私の中で課題になってて。次の世代の人たちがなかなか出てこないっていうのが、実はあって。令和2年の災害を経験しましたけれど、そういったところの上手い世代の交代っていうのができなくて、前はもっと活動してたのに今は実はちょっと活動が少し下火になってるんですよ。本当はあんな災害経験したからもっとやんなきゃいけないっていうのは分かってるんだけど、なかなかやる人間がリードしていくリーダー的な存在の人間がいないので、ちょっと今下火になってますっていうような地域もあるんですよね。
(太田)育てなきゃいけないですよね、次のリーダーとなる人間を。
(栗原)そうですね。そこが難しいんですよね。一つはですね、コロナがあって地域のお祭りとかいろんなイベントがもうどんどんどんどん中止とかなってきて、コロナが開けた後もそれをまた再開しようっていうのがなかなかできてないところもあるんですよ。
できているところもあるんですけど。で、それがやっぱり普段のそういった行事ごとっていうのがどんどん減る中で、やっぱり災害の活動っていうのが、そっちの方もうまく引き継がれてないっていうのがありまして、ただ若い人たちは話し合いをすると全然無関心っていうわけではない、特に学生さんとかですね。
だからそういう人たちをどうにかこう巻き込んでいく仕掛けとか、若い人たちの意見をちゃんと吸い上げる仕組み。そういうものを作ればなんかまだ変わってくるんじゃないかなという風に思います。
(百市)私自身もまさにコロナ禍で育児をしてきて、地域とつながりをもつというチャンスがすごく少なく感じていたんですよね。ただそれがここ1、2年で少しずつ戻ってきてたように感じますし、話せる地域の方とかお母さん方が増えて、すごく楽しいなと思うんです。
なので、そういうところから一歩また先にいって、子を持つ私たち親世代がですね、地域参加をして災害時には地域の力になれるところまで自分自身もいけたらいいなと思いました。
(太田)そして一方で、災害が発生したところでもなかなか「共助」を組み立てていくことが大変な今のリアルな状況ですよね。それも栗原さんの話から聞けたという感じがします。
(百市)KBCラジオ「みんなで防災」
今週は「大牟田市の栗原敬幸(くりはら・たかゆき)防災危機管理室長に話を聞く その4」をお送りしました。