放送内容

線状降水帯について考える その6

2024年07月10日

[番組で紹介した情報]

(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。

(百市)百市なるみです。

(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

(百市)今日のテーマ「線状降水帯について考える その6」です。

(太田)梅雨末期の時期に毎年のように全国各地で大きな災害をもたらしている線状降水帯についてお送りしています。

(百市)きょうは7月10日ですね。

(太田)そうです。記憶に新しいですよね。
久留米市田主丸で大規模な土砂災害が発生したのが2023年の7月10日でした。

7月10日は去年月曜日だったのですが、その前の週末から、九州北部も含めて非常に危険な気象状況だという話があり、土曜日、日曜日と警戒が続きました。そして九州北部では災害が起きるような雨にはならなかった。
私の中ではいま考えると大変よくないことなのですが少し気持ち的には緩んだのですよね。各自治体もそれまで、危険な場所の人がいつでも避難できるように避難所を開設していたところが日曜日に一旦閉鎖したところも多かった。
それが月曜日の早朝に状況が急激に悪化しました。線状降水帯が発生し、大雨特別警報も出される中での久留米市田主丸の土砂災害。
本当に災害は人間の弱い部分を突いてくるなと、去年のいまごろ思っていましたね。

きょうは線状降水帯に関する半日前の予測情報についてお話します。

(百市)半日前からの予測情報いつごろから発表されるようになったのでしょうか。

(太田)2022年ですから2年前から、半日前程度の予測情報が出されるようになりました。

(百市)どういう意図で出されるようになったのでしょうか。

(太田)2020年の球磨川の豪雨災害考えてください。
夜中から早朝にかけて状況が急激に悪化しましたよね。夜中の避難はとにかく周りの状況が見えづらいし、危険です。およそ半日前に、線状降水帯が発生することが予測されれば明るいうちに自治体が避難情報を出し、安全に逃げられる場合は増えるという事で、およそ半日前に情報が出るようになりました。

(百市)今年から情報の出し方がかわったという話もありましたよね。

(太田)そうです、2022年に半日前情報が出されるようになった時は九州北部地方などの地方ごとの情報でした。それが今年から観測技術の向上などで、福岡県、佐賀県など、都道府県単位で出されるようになりました。

また線状降水帯による大雨災害の危険度が急激に高まる可能性がある期間を都道府県ごとに例えば「14日午後から15日夜にかけて」というように明確化できるようになったというところですね。

(百市)今後はどうでしょうか。

(太田)今のところは予定なのですが、2029年には市町村単位で情報を半日前から提供できるように動いているそうです。

(百市)観測技術、予測技術の発展は心強いですね。
それだったら半日前情報が出された時だけ、線状降水帯の発生を警戒するということでいいのですか。

(太田)そこは大きなポイントです。
いくら気象技術が発達しても、完璧に線状降水帯の発生を予測することは、これは断言してもいいのですが、「無理です」。

半日前情報が出されても、線状降水帯は発生しないこともあれば、半日前情報が出ていなくても、線状降水帯は発生することもあります。
ですから、この時期、危ないと思ったら、自分から情報を取りに行く、これを徹底してください。

(百市)KBCラジオ みんなで防災 今週は「線状降水帯について考える その6」をお送りしました。

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