博多の図案屋
2025年07月05日
[福岡県]
西島伊三雄(1)

誰もが知るロングセラー商品「うまかっちゃん」。
山笠の水法被姿の子どもたちを描いたおなじみのパッケージを生み出したのが、博多のグラフィックデザイナー西島伊三雄です。
彼が生涯のテーマとしたのが生き生きとした子どもたちを描いた「童画」の世界。優しさと懐かしさを感じさせるその作品の原点とは。

西島伊三雄。
その名前を知らない人でも、遺した作品は見覚えがあるはずです。
福岡市地下鉄の各駅に付けられたシンボルマーク。空港線・箱崎線の全ての駅のマークは西島が手掛けたものです。そして、福岡市中央区役所前にある人形も。
自らを「博多の図案屋」と称した西島の作品は、今も福岡の町のいたるところに息づいています。
ちなみに「うまかっちゃん」はパッケージだけでなく、そのネーミングも西島の発案だったといいます。
故西島伊三雄氏
「自分の持っているものをさらけ出す。それで喜んでいただけるなら、それをやっていきたい。」
「自分をさらけ出す」。
西島にとってそれが「童画」の制作でした。商業デザインから自らの原風景を体現する「童画」の世界へ。
長男の雅幸さんによると、その原点はある体験だったといいます。
アトリエ童画 代表取締役社長 西島雅幸さん
「それは戦争に行ったから。戦争に行ったおかげでこういう絵が描ける。それは常に言っていました。」
戦争体験が生んだ童画の世界。
そこにはどんな思いが・・・。
